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日本のジャーナリズム界には海外ではありえない常識がまかり通っている。番記者が担当政治家を「うちの先生」と呼ぶ非常識…吉田照美氏が蟹瀬誠一氏に訊く(2018/06/08)

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読むオプエド Vol.094

日本のジャーナリズム界には海外ではありえな
い常識がまかり通っている。番記者が担当政治
家を「うちの先生」と呼ぶ非常識…吉田照美氏
が蟹瀬誠一氏に訊く

2018/06/08

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ゲストはフリーアナウンサーの吉田照美氏で、おなじみの「ソコキケナイトコ」のコーナーがありましたが、今回は上杉プロデューサーが所用でお休み。代わって本日アンカーの国際ジャーナリスト蟹瀬誠一氏が吉田氏の質問に答えます。アシスタントは川島ノリコです。

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【吉田照美氏】
新聞・テレビのことを聞きたいと思うんですけど、今日本の状況は相当悪い、酷いですよね?

【蟹瀬誠一氏】
よく言われるように記者クラブ制度というのがあって、それで言論が自己規制を含めて統制されているっていうのがあるし、その上安倍政権になって極端に上の方からの圧力がかかるようになって…。

テレビは放送免許あっての事業なので、アメリカの3大ネットワークの重役と話したことがあるんですけど、「テレビは頭の上に剣をぶら下げられたまま仕事をしてるようなもんだ」と…。それを落とされたら(免許を取り上げられたら)もう仕事ができないわけですよ。権力というのは油断してると抑え込んでくるので…。

それに対してスピルバーグは遠い70年代の「ペンタゴン・ペーパーズ」を題材にして映画を作ったじゃないですか。あれは彼がアメリカのメディアがどんどん劣化しているのに危機感を抱いて、それでああいうテーマで映画を作ったらしいんですよね。…そういう人が日本にもいていいと思うんですけどね。

【吉田氏】
さっきの(ニューズ油絵も)風刺画ですけど、風刺みたいなものをジャーナリズムは持っていなきゃいけないと思うんですけど、それがだんだん失われてきているっていうのが…。今なんか「笑点」の大喜利のコーナーまで口出しするようなカルト的な…まあカルトですよね。あれは右翼じゃないですもんね。ああいうことにまで文句を言ってくるなんて、おかしな時代になってきたなとつくづく思うんですけどね。

【蟹瀬氏】
それとインターネットでTwitter、Facebookなどの便利なものが出来上がって、そこには深く考えないで、衝動的に感じたことを世界に発信してしまう…トランプを見れば一番良くわかるんですけど…そういうふうな衝動的な表現しかだんだんできなくなってきてるんじゃないかと思うんですよね。ちょっと心配ですよね。

【吉田氏】
情報収集するときにはどういう形を蟹瀬さんは取ってるんですか?

【蟹瀬氏】
だいたい朝15分区切りで考えてるんですけど、朝起きて最初の15分で僕が信頼してるインターネットの情報、エコノミストだとかCNNも入ってるんですけど、そういうところをチェックします。

それから15分間犬の散歩に行って、その次の15分は腕立て伏せとか腹筋をやって、次の15分で朝ごはん…新聞は読んでないんですよ。

【吉田氏】
え?…じゃあはっきり伺いますけど、今蟹瀬さんは日本の新聞をあまり読んでない?

【蟹瀬氏】
あんまり読まない…。

【吉田氏】
僕もそうですね。東京新聞は一応とって読んでるけど…新聞もネットで色々読めてしまいますからね。

【蟹瀬氏】
形態が違うだけでね。何が扱われているかっていうのはそこで見れるし…。

マンションの一階のところに新聞が置いてあるんですよ。そこでちらっと見ることがある程度ですね。

【吉田氏】
テレビのニュース番組はチェックしないんですか?

【蟹瀬氏】
テレビはねえ…ゴルフチャンネル、CNN、BBC、AXN…アクション映画をやってるところですけど…。

【吉田氏】
日本のニュース番組でチェックするものはないんだ?…今何気なく伺いましたけど、蟹瀬さんは日本のジャーナリズムに絶望してるんですね。

でも俺もそうだもん。川島さんはどうなの?

【川島ノリコアシスタント】
新聞はうちもやめました。日本経済新聞を父がとってたんですけど。

【蟹瀬氏】
うちも日経新聞だけはとってますよ。なぜかと言うと、うちの奥さんが会社の社長やってるので、ビジネス上必要なこともあるから。でも彼女もあんまり読んでないね。

【吉田氏】
僕らが普通に思うのは、メディアのトップが総理大臣と会食するのをいつまで許しておくのかなっていうのがとても不思議なんですよね。

【蟹瀬氏】
あれはね、なんていうか…戦後のメディアと政治家、財貨の関係が、日本の場合は本当にズブズブなんですよ。それは記者クラブ制度もあるし、夜討ち朝駆けなんていう取材の仕方…夜行ってお家の中に上がって、そこでお酒を飲ましてもらって、食事も出してもらって、喋りながら「よかったね」と帰ってくると。で、それを記事にするかと言うと、その人に都合の悪いものは記事にしなかったりとかね。…「懐に飛び込んで取材する」っていうのはわかるんだけど。

僕がアメリカの記者だったときは、とにかく「政治家とか、権力を持っている者とは腕の長さの距離を保て」と言われましたよ。

【吉田氏】
やっぱり距離感って言うのは、絶対に必要ですよね。今ないですもんね。

【蟹瀬氏】
食事で言うと、コーヒー一杯まではいいんですよ、おごってもらうとしてもね。それ以上のものは必ず自分で払えと…最初にそういうことを教わるんですよね。

日本って、最初に入った記者に、自分の会社に都合がいいような記者のあり方っていうのをどんどん仕込んでいっちゃうでしょ?「報道の真ん中に何があるのか」とか、しちめんどくさいことは知らなくていい、言われた通りのことをやって、先輩に教わったとおりの記事を書いてりゃそれでいいと…そんなやり方してるから。

【吉田氏】
それはもう、どんどん劣化してるわけでしょ?…例えば、日大アメフトの理事長はまだでてこないけど、理事長をちょっと追っかける風はありましたよね。でも、加計さんには行かないでしょ?でも紀州のドンファンの新妻には行くわけじゃないですか。あれ、行く必要ないじゃないですか?警察に任せておけばいいんで。


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