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生活保護の給付は上げるべき!ベーシックインカムは国民負担率65%なら実現できる!…経営コンサルタント波頭亮氏の提言(2018/02/02)

2月2日のニューズオプエドは、ゲストに経営コンサルタントの波頭亮さんをお迎えし、生活保護とベーシックインカムについてお話を伺いしました。


【アシスタント 川島ノリコ】
政府は2018年10月から全受給世帯の3分の2で段階的に最大5%引き下げ、3年かけて計約160億円を削減すると決めたが、生活保護見直しについて、波頭さんはどう考えてらっしゃいますか?

【波頭亮氏】
僕は全く逆に1000億、あるいは1兆単位で増やしていくべきだと思っているから。戦闘機買うのに何千億も使うぐらいなら、それを削ってでも、場合によっては増税してでも生活保護や、貧困家庭の教育費なんかに当てるべきだと思う。「どう思いますか?」と聞かれたら、全然ダメじゃない?…としか言い様がないよね。

生活保護の減額は、全然必要じゃない。逆に増額が必要だよ。所得の額でいうと、生活保護は必要な人の二割弱にしか給付されてない。「所得は少ないけど、大きな資産がある」みたいな人にまで生活保護が必要とは、僕だって思ってない。

とは言え、だいたい欧米諸国は生活保護が必要な人の50%〜90%の人に給付している。日本は2割なんだよ。貰えてない人に、もっと払ってあげなきゃいけない。今ざっくり20%の人にしか給付できてないのを倍の40%ぐらいの人には支給してあげたいし、金額自体ももう少し豊かにしてあげてもいいんじゃないかと思ってます。

【アシスタント 川島】
児童手当に当たる「児童養育加算」も一部を減らす考えを示していますが、この「児童養育加算」について波頭さんはどう見ていますか?

【波頭氏】
そもそも全部逆だから話にならないんだよね。例えば、ひとり親(母子家庭など)の貧困率って、日本が世界最悪だからね。日本が一番ひどい目に合わせてる、助けてあげてないわけ。それをもっと減らすって「なんなんだ?」だよね。考えられない。

【上杉隆アンカー】
少子高齢化対策と言いながら、全く逆の政策をやるわけですね、こうやって…。

【波頭氏】
全世帯の中の相対的貧困率もOECDの中でワーストの3〜4位だし、その中で母子家庭、ひとり親家庭の貧困率は60%で世界最悪なのよ。そんな数字がずっと出てるのに、なんでこんなおかしなことするんだろうって。解説とかコメントができない感じ。「何やってんの?」って。

【上杉アンカー】
野党はこれについて別の案・政策を出したところで、結局与党が数の力で行くわけですね。「財源確保」あるいは「生活保護家庭に対するバッシング」こういう世論の「変な風」を利用すると。メディアもここについては触れないわけですよ。「生活保護を不正受給した」っていう0.何%のものをニュースにして流して…。

【波頭氏】
0.39%。これだって圧倒的に低いんだよ、世界で。

【上杉アンカー】
そうですよね。よっぽど政府の不正受給とか、不正な助成金とかのほうが大きいんですよね…。

こうした生活保護などの抜本的な見直しとして、波頭さんがずっと言ってるBI(ベーシック・インカム)。これを導入すると解決できるんじゃないか?…でもBIと言うと必ず「財源が足りない」という話になりますよね。このへんはどうですか?

【波頭氏】
全然足りなくないよ。さっきも「日本って最も国民負担率が低い国なんですよ」って言ったよね。フランスが66〜7%、デンマークは70%で一番高いんだけど…要するに60%〜65%の国民負担率があればBIは楽々できちゃうわけ。楽々。それをやるには富裕層や大企業から取らなきゃならないから、そういう論調を封じようとする社会的発言力のある人達が「あり得ない、あり得ない」って言ってるだけで、やる気になったら全然出来るよ。

考え方を変えると、今国民負担率40%ぐらいなの。で、BIには120兆円ぐらいかかる。全国民、赤ちゃんまで含めて毎月一人8万円配ろうとすると、120兆円。例えば上杉さんと川島さんが結婚して子供二人作ったら、何もしないでも毎月32万円もらえるの。結構美味しいでしょ?

で、その120兆円は国民所得、GDPの約25%。つまり全国民がBIのために収入の25%を出せば、全員に8万円配れるの。それぐらいしようよ。BIをやるために「あれを削ろう、これを削ろう」というと、削られる方は抵抗するから、この120兆を上乗せしちゃえばいいんだよね。「年金も生活保護も削らなくていいから、25%上乗せしましょう」と。すると国民負担率は65%ぐらいになるんだけど、それでもフランスと一緒ぐらいなんだよ。それやればやれるんだもん。遠くない。

【上杉アンカー】
「AIが発達するとBIがやれる」って言う議論があるんですけど、例えば公務員の事務仕事にAIを導入すると、200万人分の人件費がいらなくなるので、それをBIの方に回せばいいんじゃないかと…。

【波頭氏】
まあ、それじゃ全然足りないんだけどね。…でも、AIを全面的に導入することによって、あくせく働いてた部分がAIに任せられるとなると、じゃあ人間は何に携わればいいんだってことになるよね。極論すると、この10年〜20年で49%の仕事がAIに置き換わるというオックスフォードのえらいさんの報告があるんですよ。つまり半分近くがAIで出来るようになると言われてる。これ、50年ぐらい先を考えると、ほとんどの仕事はAIとロボットがやってくれそうなわけ。

逆にAIにできないのは、人に寄り添うタイプの仕事。政治家、経営者、それからクラブのお姉さんとか。(中略)手を握るとか、寄り添う…介護士さんとか、看護師さんとか。物理的なものだけじゃくて、気持ちの寄り添い。こういうのはリプレイスされないけど、それ以外は全部AIとロボットで出来るようになる。

そうなったらBIがないと…だってそのままだとAI、ロボットの保有者(資本家)が全部持っていっちゃうじゃない?いくらAIで生産しても、買う人がいなければ売れない。それをBIで再分配する。それが建設的なAIの発展の方向だと思う。今は社会保障、生活保護的な意味でのBIだから、月8万とかだけど、さっき言ったような50年後ぐらいに生産活動の殆どがAIとロボットでできるようになると、月30万ぐらいが、みんなが幸せになってしかも経済が活況を呈する…その設定が唯一最大の政治判断になるのかもしれない。


…このあとは波頭さんが視聴者からの質問に答えてくれ、そこからまた話を掘り下げて様々な議論が行われました。「フランスは国民負担率65%ぐらいだけど、そのかわり生きていく心配がない。子供を産もうが、病気になって病院行こうが、全部タダ」という話は興味深いですね。はたしてどちらが幸福な国でしょうか?そちらの方は是非番組サイトから本編をご視聴ください。

2月2日放送分は、2月5日の16時まで無料会員登録(ブロンズプラン)でご視聴いただけます。それ以降、および番組開始から60分を過ぎる部分のご視聴には、シルバープラン以上の有料会員登録が必要です。


【お知らせ】

みんなで作る報道番組「上杉隆のザ・リテラシー」、いよいよ2月3日土曜の配信です。ゲストはIWJ代表の岩上安身さん。テーマは「ネットメディア」です!

岩上さんのIWJを一つのモデルケースとして、どのように運営してるのか、そして日本のジャーナリズムについて、じっくりお話を伺います。どうぞお楽しみに!

2月以降の「ザ・リテラシー」の配信は、すでに募集が始まっている第4期クラウドファンディングの対象となります。番組後半はクラウドファンディング支援者向けの限定配信となりますので、下記サイトからぜひ御協力をお願い致します。