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沖縄の米軍基地の中が「外」で、外は「中」ってどういうこと?…詩人 アーサー・ビナード氏が基地問題の本質を語る(2018/01/26)

1月26日の特集は詩人のアーサー・ビナードさんをゲストにお迎えし、沖縄の米軍ヘリ墜落問題についてお伺いします。解説委員は玉川大学准教授の平林壮郎さんです。


【アシスタント 川島ノリコ】
今月23日、沖縄に米軍ヘリが沖縄県渡名喜村のヘリポートに緊急着陸しましたが、米軍ヘリが基地以外の場所に 緊急着陸するトラブルは今月で3度目。アーサーさんはどう見ていらっしゃいますか?

【アーサー・ビナード氏】
アメリカ人としては「墜落」という言葉は使ってほしくないですね。「不時着」です(笑)。不時着なんだけど、3つか4つにばらばらになることもあるし、焼かれてぺちゃんこになることもある。それも含めて「不時着」です。

【アシスタント 川島】
(笑)…それは墜落では?

【ビナード氏】
いや…実はあれはトランスフォーマーの一種で、3つか4つに分かれて、また合体したりとか…(笑)

〜中略〜

【ビナード氏】
…どこでもいいんですよ、彼らは。出来れば基地の中より、民間の土地に(ヘリやオスプレイを)落としたほうがいい。だって、基地の施設が燃えちゃったり、他のヘリなどにぶつかったりしたら大問題ですから。誰かの牧草地とか、小学校に落ちたほうがいいんですよ。

彼らの感覚は「どこでも俺達の土地なんだ」ですから。沖縄の人たちは基地の中には入れない。でも米軍は中も外も入れる。じつは、「基地の中」という日本語は間違ってるんですよ。基地の中は「外」なんです。で、基地の外は「囚人たちの檻の中」。閉じ込められているのはネイティブの住人の方。基地に行くと、フェンスの上の有刺鉄線が囚人たちの方(外向き)についてるでしょ?(基地の中に)出られないように。だからやんばるの森や集落は「中」、基地の中が「外」なんです。

「不時着」はそういう中で起きてるんです。彼らにとっては普通のこと。沖縄の人たちはやんばるの森や名護の海を守りたいという、誰でも共有できる思いがあるんだけど、それが毎日毎日踏んづけられる。その中で日本の政府は100%踏んづけてる側の言いなりになってるっていう…。

〜中略〜

【ビナード氏】
本来なら(米軍基地のエリアとして)フェンスで仕切られたビーチを「返せよ。そこは俺達の砂浜だ」となるはずなのに、返すどころかそこを全部潰して辺野古の新基地を作る…今回不時着したヘリは普天間のヘリだけど…普天間は返さないよ。辺野古の滑走路は短い。普天間は辺野古を作ったって返ってこないよ。移設でなく増設です。

【平林壮郎解説委員】
本当に沖縄県民が思っていることを(ビナードさんが)代弁されてるんじゃないかと思います。日々感じていること、皮膚感覚で感じていることをおっしゃってると思いますよね。それに対して日本政府は防衛大臣と外務大臣が「遺憾である」と言ってますが、これは4月に名護の市長選があるから、ピリピリしていて、一応ポーズとして言ってみせるっていうことだろうと思います。本気で沖縄の声を聞こうとしてるとは思えない。こないだ翁長県知事が上京した時、誰が対応したか?外務省は政務官ですよ。官邸は官房副長官。極めて冷淡な扱いですよね。

〜中略〜

【ビナード氏】
そういうことをする(沖縄の声を無視する)というのは、安倍政権の体質を考えるとあり得るけど、問題は「やっても叩かれない。炎上したり大問題にならない」ということがすごくマズイ、本当にマズイですよね。

【上杉隆アンカー】
それはもう、政治のせいだけじゃないんですよね。今までオプエドでは何百回も言っていたことだけども、行政とメディアの複合体が弱者の声を押しつぶそう、押しつぶそうとしてきたんですよね。しかも何十年もやってきたんです。昨日今日始めたのならバレますけどね。ずーっとそうやってるからこうなってるわけです。

〜中略〜

【アシスタント 川島】
昨日25日にアメリカのトランプ大統領が訪問先のスイス(ダボス会議)で受けたインタビューで、「TPPへの復帰を検討する」ということなんですが…。

【ビナード氏】
トランプさんは僕以上に饒舌なんですよ。いろんなことを言って言論空間を揺さぶろうとするんですね。これは「ちょっと投げてみた」だけだと思うんです。なんで日本のメディアがそれに飛びついてるかというと、安倍ちゃんが「アメリカ抜きでTPPをまとめた」という神話を作ろうとしているでしょ?そうじゃなくてカナダやオーストラリアがボロ儲けして、日本が大損こくような欠陥のTPPに飲み込まれてるわけ。「北海道はどうするんだよ?」って。北海道は日本から独立するしか生き残る道がない、というような中身なんですよ。でも「安倍ちゃんがアメリカ抜きでも見事にTPPをまとめた、だからトランプも抜けたことを後悔してるんだ」みたいな「物語」になりますよね。だから日本のメディアは飛びついてるんだと思う。

【上杉アンカー】
これ、日経新聞の見出しなんだけど…日経新聞はTPPに復帰してほしいんですよ。「アメリカがTPPへの復帰検討」って…検討じゃないですよ。トランプはインタビューを受けて「基本的にはバイ、つまり二国間の交渉だ。マルチ(多国間)の場合は、アメリカ中心のTPPになって我々に有利な条件なら戻る」って言ってるんですよ。つまり「全部俺が決めるぞ」と。そんなことはありえないじゃないですか。これはトランプが冗談を言って、からかわれてるんですよ。この誤報を垂れ流す日本のメディア、それに踊らされて日本中が「トランプがついにTPP復帰だ」って…。

【ビナード氏】
「やっぱり日本政府は、安倍ちゃんは正しかった」って。…復帰するわけないでしょう。現実とどこが噛み合ってるのか?

【上杉アンカー】
こんなことをニュースにすること自体があり得ない。これは本当に記者クラブの人たちはいい加減にしないと、国を滅ぼしますよね。


…このあとまだまだTPP関連の話が続くのですが、有料時間帯になりますので、そちらの方は番組サイトで本編をご視聴ください。

1月26日放送分は、29日の16時まで無料会員登録(ブロンズプラン)でご視聴いただけます。それ以降、および番組開始から60分を過ぎる部分のご視聴には、シルバープラン以上の有料会員登録が必要です。


【お知らせ】

みんなで作る報道番組「上杉隆のザ・リテラシー」、来月は2月3日土曜の配信です。ゲストはIWJ代表の岩上安身さん。テーマは「ネットメディア」です!どうぞお楽しみに!

2月以降の「ザ・リテラシー」の配信は、現在すでに募集が始まっている第4期クラウドファンディングの対象となります。番組後半はクラウドファンディング支援者向けの限定配信となりますので、下記サイトからぜひ御協力をお願い致します。

女性差別撤廃が主旨のデモが、日本では「反トランプデモ」と報じられる理由は?笹野大輔ニューヨーク支局長のレポート(2018/01/26)

1月26日のニューズオプエドは、笹野大輔ニューヨーク支局長のレポートがありました。今回は先週土曜日に行われた「ウーマンズ・マーチ」の様子と、東京都が主催している事業で、ニューヨークに来ている日本人女性起業家の皆さんへのインタビューです。


ウーマンズ・マーチはニューヨークで20万人以上が参加(警察発表)。主旨は「差別撤回と人権擁護」なのだけど…

日本のメディアはなぜかこれを「反トランプデモ」として報じていました。昨年から始まったウーマンズ・マーチが、現在の#MeToo運動にも繋がったとされています。

時系列的には昨年のウーマンズ・マーチが最初にあり、その後で#MeToo運動が広がり、それと同時期に伊藤詩織さんの準強姦告発…という流れなんですが…。

話し変わって、こちらは東京都主催の女性ベンチャー成長促進事業 “APT Women”。

東京で選考された10人の女性が、ニューヨークで10日間専門家たちの講習などを受けています。

様々な事業を展開している女性起業家の声が聞けました。お米が原料のエタノールで作った化粧品を販売している渡辺里奈さんは「集まった10人のメンバーでお互いにブラッシュアップできたのが良かった」と。

個人事業主とユーザーをつなげるプラットフォームづくりをしている河本扶美子さんは「海外事業展開のためのコネクション作りができた」と。

画期的な塗料を開発した高尾一美さんは、実際に設計事務所に営業活動ができ、製品を気に入ってもらえたそうです。

「ウーマンズ・マーチのことは日本では主旨をすり替えて報じられている」と指摘する笹野支局長。それを受け、上杉隆アンカーは「その理由はただ一つ。詩織さんの事件を隠すためだ」と。ここでもやっぱり「日本の記者クラブメディアはどうしようもない」という結論に至りました。

ここに書いた内容はダイジェストなので、詳しくは是非番組サイトから本編をご視聴ください。

1月26日放送分は、29日の16時まで無料会員登録(ブロンズプラン)でご視聴いただけます。それ以降、および番組開始から60分を過ぎる部分のご視聴には、シルバープラン以上の有料会員登録が必要です。


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