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沖縄の基地問題は現地の人と離れている人では全く認識が異なる…真実を伝えるために沖縄に移住したラッパー、大袈裟太郎氏が実体験した基地問題を語る(2017/12/08)

12月8日のニューズ・オプエドは沖縄在住のラッパーで、沖縄の基地問題を取材し続けている大袈裟太郎さんをゲストに迎えました。現地で生活しているからこそわかる、沖縄の基地問題のディテールを詳しく語っていただきました。

以下、その主な発言の内容です。

【川島ノリコアシスタント】
沖縄に移住されて取材を続けてらっしゃるんですが、2016年の高江のヘリパッド建設をきっかけに沖縄の現状を伝える活動を始めらてたんですね。高江に向かうきっかけはどういうことだったんでしょうか?

【大袈裟太郎氏】
2016年に出馬した三宅洋平くんの参院選を手伝ったんですが、世の中が傾いていってる感覚を感じて、立場の弱いものがどんどん虐げられる、殺伐とした世の中になってきている感じがしました。そんな時に7月22日の強制排除で、高江の機動隊が人をグーで殴っている映像をネットで見て、「一体何が起こってるんだ?」と、10日間だけ取材に来るつもりが、結局住み着いてしまったと…そういう流れですね。

実際に行ってみると、内地(沖縄以外の日本本土)で聞いた「反対運動には日当が出ている」とか、そんな話が全く虚像だということがわかってしまった。そのころ「映像を回すと機動隊の暴力が減る」ということをみんなが言っていて、地元のおじい、おばあまでもがガラ携を機動隊に向けているなんてことがありました。で、ある時一人を50人の機動隊が取り囲んでいるところに出くわして、ツイキャスを回してみたら、それが10人に減ったんです。そのツイキャスが一晩で5万人ぐらいの人に見られて、「これはみんな知りたがってるのか」と思い、沖縄に対するイメージのずれ、誤解を解きたいなと思って、今まで居続けているわけです。

【川島】
現在辺野古で基地建設が進められてますが、現場の状況はどんな感じですか?

【大袈裟氏】
ちょっと写真を見てもらいましょうか。

毎日毎日、こうやってトラックが現場に入るところを座り込んで止めようとするんですが…

こんな感じで排除されるんですね。

報道されてないので、気づかないと思うのですが、ポイントはこれを「毎日やっている」ということです。

【山口一臣アンカー】
これはやらされてるおまわりさんも辛いんじゃないですかね?

【大袈裟氏】
沖縄県の7割は基地反対です。警察の中でも反対の人はいますんで、泣いている機動隊員を何回も見たことがありますね。沖縄の雇用は限られているので、公務員と言うのは重要なポジションなので、苦渋の中に沖縄県警もある…。

で、「座り込み」と言うのは今の時代には馴染みがないと思いますが…

僕も以前は「デモのようなアピールの手段かな?」と思っていましたが、実際は全く一線を画するんです。実際に高江では3年間で六箇所の工事が終わる予定だったのが、10年…つまり7年間(座り込みによって)長引かせることができたんです。実際に工事を止めることができる、実効力のある行動なんです。

そうするうちに「オール沖縄」が出来て、こないだまでは全選挙区、今でも5/6が基地反対の議員です。つまり座り込んでる側に民主主義の後ろ盾がある。よく「基地反対派」として報道されますが、沖縄ではそっちが主流なんですよ。与野党が逆転してるから。そこをわかってもらいたいんですけど、沖縄での主流派、民意が付いているのは座り込んでる方なんです。だから取り締まる警察も苦渋を抱えている。にも関わらず、国が基地を押し付けている。これが意外と知られていないんです。

【川島】
それだけ伝わってないということですよね、こっちに。

【大袈裟氏】
それから、デマが凄いんですよ。

「反対運動に日当が出ている」とかね。1日2万円って言われてるんですけど、僕はもう300日ぐらいいるんで、相当な額をもらってなきゃいけないんですけど(笑)。それから「沖縄の人がいない」とかね。実際は8〜9割は沖縄の人。他にも「左翼暴力集団、テロリストである」とか。でもゲバ棒もヘルメットも何もなく、全くの非暴力。「基地反対は沖縄の民意ではない」…これも選挙結果が出てるんだから、民意であることは明らか。あと「沖縄の経済は基地に支えられている」というのもよく言いますよね。実際は基地は経済の最大の阻害要因で、2%ぐらいの経済効果しかないんです。元米軍基地だった那覇の「新都心」はショッピングモールなどが出来て、経済効果は28倍になりました。沖縄の基地問題を「沖縄の問題」にしておきたい、自分たちの問題と思いたくない、という心理がこういうデマを信じてしまう背景にあるのかな、と思ってます。

あとオール沖縄ですが…

自民党から共産党までの議員がいる。いないのは民進党系だけです。内地の政治状況とは全く違います。で、6選挙区中、5選挙区が基地反対の議員。完全に主流派です。

これもデマなんですが、「基地がなくなると中国が攻めてくる」という事がよく言われるんですが、オール沖縄がどこの主張でまとまっているかというと「全米軍基地撤去」ではないんですよね。「オスプレイの配備撤回」と「普天間基地の県内移設反対」この2点でまとまってるんです。もちろんいろんな考えの人がいるんだけど、この2点でまとまっている事が重要なんで、「中国が攻めてくる」なんてこととはあんまり関係ないんです。

次にオスプレイがどういうものなのか、ということですが…。

これは高江の状況なんですが…。

【山口】
ふーん、松の木の上ぐらい…23時まで飛ぶんですか!?

【大袈裟氏】
23時まで飛びます。で、頭の上に自動車教習所があると思ってください。操縦士の顔が見えるぐらいの高さで飛ぶんです。しかも高江区のすべての家の上を飛ぶんです。なにかトライアルのようなことをしているフシがあります。

【山口】
オートローテーションと言うのはなんですか?

【大袈裟氏】
普通のヘリコプターはエンジンが停まっても慣性の法則で回り続けて、ふわっと着陸できます。でもオスプレイはそれが出来ずに、その場で落ちるんです。

【川島】
やっぱり危ないですよねえ。

【大袈裟氏】
墜落現場で米兵につたない英語でインタビューしたんですが、「乗りたくない。デインジャーだ」と。

【川島】
みんなそう思ってるわけですよね。

【大袈裟氏】
その証拠として、沖縄で唯一飛ばない場所があるんですよね。それが米軍の住宅の上なんです。

【川島】
えーー!?

【山口】
知ってる人は知ってるんだろうけど…。

【大袈裟氏】
これ聞いちゃうと、やっぱり危険性を承知の上で飛ばしてるんだな、とわかりますよね。普天間に22機配備されたうちの2機墜落して、2機故障して、今18機ぐらいになって数が減っているのに、日本政府はまた200億だか出して買おうとしてるんです。アメリカ本土でも「未亡人製造機」と呼ばれているんですよね。

【川島】
「きのう宜野湾の保育園に米軍機からの落下物がありましたが、墜落以外にもそのような事故は他にも起こっているのでしょうか?」という質問が来ています。

【大袈裟氏】
沖縄タイムズ、新報ではちゃんと報じられていると思いますが…高江の森のなかに大量の米軍のゴミが捨てられていたとか、あと薬莢ですね…そういうものが落ちていたりするのは日常茶飯事かな。あとは、交通事故もありますしね。

僕も内地の人間、東京の人間なんで…やっぱり前提としてるところが違うのかな、と思うんですね。

そもそも沖縄は独自の文化を持った琉球民族の土地であり、日本に併合されてから150年ほどしか経っていません。これは皆さんご存知でしょうが、沖縄の地上戦の時は日本兵が沖縄の人々を殺しています。また、これはあまり知られていませんが、沖縄の人の9割が終戦後強制収容所に入れられています。この間に自分たちの土地が基地になっているのです。でも自分たちの土地の近くに住みたい、ということで、普天間基地周辺に人が集まっているのです。しかも戦前やっていた仕事はもうないので、基地の仕事をせざるを得ない、というところから沖縄の戦後はスタートしているんです。

で、未だに日米地位協定があるために米兵が沖縄で犯した犯罪を裁くことが難しくて、しかも怖いのは米兵がそれを知ってること。飲酒運転なんて毎週以上ありますし、強姦事件にしても先のうるま市の事件のように凶悪なものは表に出てきてますが、そこまで行かないレイプ事件はめちゃくちゃありますよ。「知り合いの知り合いが示談した」とか言う話は枚挙に暇がない感じで、これは住んでみないとわからなかったことですね。そういった背景が座り込みの切実さにつながってくるんですね。

【上杉隆】
ちょっと気になることがあるんですが、海兵隊の米軍の人が「危ないから(オスプレイに)乗りたくない」って言ったんですか?

【大袈裟氏】
そうですね。

【上杉】
本当ですか?それ。僕の経験上ではニューヨークタイムズの時代には米兵が答えてくれたことがあるんですが、それ以降一度も答えてくれてないんですよ。それを米兵が答えているとすれば、相当なスクープですよ。

【大袈裟氏】
僕はオスプレイの墜落現場に米兵よりも先にたどり着いたんですね。それで排除されながらも一晩粘って、米兵も「こいつは何なんだ?」って言う感じの親近感になってきて、ジャーナリストとは思わなかったんじゃないですかね?それでこういう発言につながったんじゃないかと…。

【上杉】
それ、V(映像)は撮れてるんですか?

【大袈裟氏】
一応ありますけどね。

【上杉】
出せないんですか?それ。アメリカ軍もそれを怖がっていて、どこも正式に出してないし、アメリカのメディアも「米兵がオスプレイに乗るのを怖がっている」というのを出した例は一つもないんですよ。

【大袈裟氏】
は〜…そうですねえ、タイミングが合えば出してみたいなと思うんですけども。ただ僕にとっては、米兵がそう思ってるということは、伝わってきてたので…。

【上杉】
思ってることはみんなわかってるんですけど、軍法会議にかかるとアウトですから。アメリカ軍の人間がそれを言うと、大変なことになるんで、それがあるとすると、大きなニュースになるんですよ。

【大袈裟氏】
ちょっとじゃあ、色々やってみます。「デインジャー」って言ってました。

…で、基地問題に向き合いやすくするためのことなんですが…

新基地建設問題を国防問題にすり替えないでほしいっていうのがあります。「基地を全部なくせ」って言ってるわけじゃないんで。米軍機の飛行時間や区域を制限したり、米兵を日本人と同じように裁くようにしてほしいとか。それをやったからと言って「中国が攻めてくる」という話にはならないと思うんですよ。そういう細かいところにフォーカスして、基地反対運動は行われているんですよ。

それから稲田元防衛大臣が辞める直前に凄いことを言いました。「辺野古が出来ても普天間は返還されない可能性がある」ということですね。これは県民はものすごく怒っていました。これは詐欺ですよね。

…これ以降は有料時間帯に入るのですが、その中で上杉が重要な指摘をしています。この沖縄の基地問題にしろ、原発の反対運動にしろ、国策で進められている事に反対する運動がなぜ弱体化、疲弊させられてきたのか…そのための政府の戦略、方法論が解説されているのです。そこが知りたい方は、是非下記サイトより有料会員登録の上、番組をご視聴ください。

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