イスラムの教えに照らすとJOCも相撲協会もNG!?宗教学者 島田裕巳氏に「スポーツと宗教」のあれこれを訊く(2018/01/22)

1月22日(月)のニューズオプエドは、玉木正之スポーツ編集長・主筆によるスポーツ特集です。ゲストは宗教学者の島田裕巳さんをお迎えし、「スポーツと宗教」と題してお話を伺いました。

お話は多岐にわたりましたが、ここでは日本人にとって余り馴染みのない「イスラム教」に関する話をピックアップしてご紹介します。


【島田裕巳氏】
サウジアラビアで最近サッカーの観戦が許されたっていう話がありますね。

【玉木正之編集長】
あれは誰が許すんですか?

【島田氏】
サウジアラビアは宗教を政策的に色々やってるので、国が管理してるんですね。でも、これはイスラムの考え方からするとおかしいんですよ。神が絶対で、あとは人間ですから。間に国家とか組織が介在しちゃいけないんだけど、サウジアラビアは国家の構造がそうなっちゃってるんですね。

だから(本来のイスラム教は)「人間が何かを許可する」というのはないんですよ。神様が決めたことに従うかどうかは、個々の信者の決めることっていうのが原則なんですよね。

だから、「権威」とかになる人がいちゃいけないんです。だからJOCとかダメなんです。(笑)相撲協会もダメ。

【玉木編集長】
でもイランはあのなんとかっていう、偉い人がいますよね。

【島田氏】
イランはシーア派で、キリスト教の影響、ペルシャ文明の伝統的な影響を受けているんですよ。あれを「普通のイスラム」と考えるのはちょっとどうかなと思います。これは歴史的にペルシャ(イラン)人がこだわってる部分で、イマーム(シーア派の指導者でムハンマドの子孫)が殺されたっていうことで、そこから全てが発しているので、動かしがたいんですよ。「イマームはお隠れになっていつかまた現れる」という信仰があって、これはキリスト教のキリストがいつか再臨するという信仰のイスラム版なんですよね。

【玉木編集長】
今はなぜあんな「イスラム原理主義」が出てきたんですかね?

【島田氏】
イスラムというのは絶えず「もとに戻ろう」とする運動ですから。我々の普通の感覚は将来に向かって「未来のほうが現在より良くなる」と思ってるじゃないですか。でもイスラムはそうじゃないんです。預言者ムハンマドがいた時代が信仰的には一番正しい時代であって、そこに戻ろうとする運動が絶えず出てくるんです。

【玉木編集長】
ムハンマドの時代が一番いいなら、スマホとかは捨てるんですかね?

【島田氏】
そういうものは、昔あったものを模範にして判断するんですよ。たとえば「宇宙船」は乗り物だから、ラクダについて言われていることを応用しよう…と、そういうふうになるんです。(笑)


…面白いですね。私たち日本人はイスラムと聞くと「原理主義」「過激派」などの側面ばかりが報道されるので、そのイメージが強すぎますが、もっと「相手の文化を理解する」ということが必要なのかもしれません。イスラム関連以外にも様々なスポーツと宗教の話が聞けますので、是非番組サイトで本編をご覧ください。

1月22日放送分は、23日の16時まで無料会員登録(ブロンズプラン)でご視聴いただけます。それ以降、および番組開始から60分を過ぎる部分のご視聴には、シルバープラン以上の有料会員登録が必要です。


【お知らせ】

みんなで作る報道番組「上杉隆のザ・リテラシー」、来月は2月3日土曜の配信です。ゲストはIWJ代表の岩上安身さん。テーマは「ネットメディア」です!どうぞお楽しみに!

2月以降の「ザ・リテラシー」の配信は、現在すでに募集が始まっている第4期クラウドファンディングの対象となります。番組後半はクラウドファンディング支援者向けの限定配信となりますので、下記サイトからぜひ御協力をお願い致します。


玉木正之スポーツ編集長も登壇する「エンジン01 文化戦略会議『オープンカレッジ in 大分』」が1月26日〜28日までの三日間、大分県内の会場で開催されます。
玉木編集長も多くの講座で登壇されます。
こちらの「夜学」は残念ながらすでに完売です。
チケットの購入はエンジン01のホームページまでどうぞ。