検察と正面から闘ってきた国会議員、森ゆうこ氏が語る詩織さん準強姦事件。それは政権、行政、司法、メディアが一体となったシステムとの闘い!(2017/12/13)

12月13日のニューズ・オプエドは、伊藤詩織さんの準強姦事件についての「超党派議員の会」を立ち上げた自由党参議院議員の森ゆうこさん、そしておなじみの公益社団法人「自由報道協会」代表の大貫康雄さんをゲストにお迎えしました。詩織さんの事件を中心に、日本の政治、行政、メディアに関する問題についてじっくりお聞きしました。

【アシスタント 義山望】
森さんは伊藤詩織さん事件で「超党派議員の会」の立ち上げに関わっていますけれども、このきっかけは何だったんでしょうか?

【森ゆうこ議員】
そうですね…この特別国会短かったですけれども、総理の所信表明の前後に、ある議員から「伊藤詩織さんの事件で国会議員は何もしなくていいのか」と相談を受けまして、私も何かやらなければという思いがあったので、急遽お声がけをしまして、維新の会以外の全ての野党から呼びかけ人になっていただきました。すでに3回目で、つい先日の3回目には伊藤詩織さんご本人にも来ていただきました。

【上杉隆アンカー】
オプエドではこの問題は半年前からやっていますが、3回目の会議には取材に行き、その日の夕方柚木議員に番組に来ていただきました。その時も聞いたのですが、与党の方は入ってこなかったんですか?

【森議員】
すぐ立ち上げたかったので、呼びかけ人のことは自民党・公明党さんにはお声がけをしておりませんが、衆参の全ての国会議員に会のご案内は出しています。が、与党の参加者はいらっしゃいません。

【上杉】
これは与党・野党の話じゃないと思うのですが…女性の人権、行政の暴走による立法府への挑戦と考えれば、与野党関係ないですよね?

【森議員】
性犯罪に関する刑法の改正で厳罰化が行われたばかりであるにも関わらず、それをあざ笑うかのように、当時の刑事部長である中村格氏の判断で、逮捕直前で執行が停止されたということで、結局不起訴になり、検察審査会でも不起訴相当が出たんですけども、はたしてそれは適正だったのか?…このジャーナリスト、山口さんは総理の一番のお友達ですから。公権力の行使が歪められたのではないか?このことをチェックするのは国会の非常に大きな役割だと思います。

【上杉】
今回の件で不思議なのは、一度決まった行政の執行を直前に止めるという…こんなことは過去にありますか?

【森議員】
聞いたことがないですよねえ。3回の会議で警察庁に繰り返しきいたのが、「逮捕状の停止というのはどれほどあるのか?」ということなんですが、なかなか答えようとしないんですが、先日共産党の女性議員が非常にいい聞き方をしてくださって、次回は持ってこざるを得ないというところまで追い込んでくれたので、年明けになりますが、これがいかに特殊なことなのかがわかると思います。こういうことはすぐに真実がわかるというものではないんですが、国民が納得できるようにすることが国会議員の重要な仕事だと思ってます。

【大貫康雄氏】
日本は民主主義の国としては非常識だらけなんです。私がロサンゼルスにいる時、「陪審員になれ」と言われたことがあったんですが、いろんな克明な証拠が警察から出されます。伊藤詩織さんの事件はどんな証拠が検察審査会で出されたのか、それが全くわからない。これはどう考えてもおかしいですよ。

【上杉】
今大貫さんが指摘したところなんですが、これは小沢一郎さんの時の(右)は審査補助員の名前がある。

【上杉】
この人が第三者的な立場でこの審査会で何をやったのか、どういう形で話したのかの証人になるわけです。ところが今回の事件(左)では審査補助員の名前もない、人数も分からない。こうなると本当に検審をやったかどうかさえ、誰も証明できないわけですよ。「男女比は7:3だ」とか言われてますけど、それも確認できない。こんなブラックボックスでやられた検審は過去に例がないんじゃないか?

【大貫氏】
アメリカでは匿名で陪審員が発言できますが、日本ではそれも出来ない。これだと勝手にいいようにやられますよ。どう考えてもおかしい。

【森議員】
この「ブラックボックス」という詩織さんの本の題名ですけど、検察審査会というのは、この民主主義、情報公開の時代でも、本当に何もわからないんですね。本当に開かれたのか、くじで審査員が選ばれることになっているが、公正に選ばれているのか、証拠はきちんと提示されたのか…こうしたことが何もわからない。確かに検察審査会法上非公開なんだけど、それを盾に完全にブラックボックスにされています。

ただ、「なぜ審査補助員がいないのか?」という点については、小沢さんの時には2回「起訴相当」が出て、強制起訴になったのですが、そういう時には必ず審査補助員を入れなきゃいけないことになっているのですが、普段は必ずしも審査補助員がつくわけではないんです。私は検察審査会法の改正案を出したことがあって、残念ながら廃案になってますが…もう一回、このブラックボックスの検察審査会、そしてその前の警察・司法行政、これが本当にきちっと公正に行われたのかということについて、もっとみんなで意識を持っていただいて…特にマスコミのみなさんには検証していただきたい…我々もやりますけどね。

【上杉】
基本的にマスコミはあてにしないほうがいいと思うんですけども…制度設計上の問題は新しい法律ができるとどうしてもあるんで、森さんが指摘されたところはまさにそうですし…。あとは証拠を恣意的に見せてもいい、見せなくてもいい、今回の場合は詩織さんが都ホテルから引きずられている動画を、はたして見せるか見せないかで、審査員の心象がまるで違ってくるんで、それが確認できるような制度をぜひ作っていただきたいですよね。

【森議員】
少なくともどの証拠を使ったのか、それから先程(大貫さんが)おっしゃってた、アメリカの陪審員は匿名でいろんなインタビューに応じることができる、でもこの検察審査員は本当に何も喋っちゃいけない、審査員の存在を疑っている人すらいる…こういったことをできるだけオープンにする法改正をやらなくちゃいけないと思っています。

【大貫氏】
私は公共放送のあり方の制度を、国会の場で見直してほしいと思います。今は放送法などの理念が安倍政権によって歪められてしまってます。安倍総理はNHKの会長、経営委員長、日銀総裁、内閣法制局長官…こういう人事を意のままにしました。これは民主主義の破壊なんですよ。そういう人事のあり方をもう一度見直して、制度を作り直して欲しい。マスコミの水準を上げないと、民主主義の向上のありえないから。

【上杉】
メディアの水準はオプエド見てる人は上がってるんで…日本のメディアはもう無理なんで(笑)、オプエドの視聴者のほうで、健全なジャーナリズムを広げていただきたいですね。

【上杉】
ところで森ゆうこさんと言えば、検察の追及。これ、けっこう大変なんですよ。国会議員が警察・検察を追求する、これは口で言うどころじゃない。ここと戦うのはみんな腰が引けてたんです。ところがこの森ゆうこさんの戦いで、検察も随分変わったところがあるんじゃないかと言う声もありますが、どうですか?

【森議員】
なかなか難しいですね。今回この伊藤詩織さんの事件の「超党派の会」を立ち上げましたが、うちのスタッフからも言われたんですが、「この事務局は私しかやれない」と。検審の法改正関連のことをやったこともあるし、検察、法務省、最高裁とも相当やりとりをした…でも、私も怖くないと言えば嘘になります。全く何の罪もない人を犯罪者にすることは簡単です。色んな経験を踏まえて、そのことを痛感しました。冤罪も、罪のもみ消しも、逆ですが全く同じ問題なんです。

私は「国家の私物化三点セット」と呼んでますが、「森友、加計、詩織さん」。アベトモ、安倍さんのお友達はとにかく優遇され、行政が歪められる。中でも一番最悪なのはこの詩織さんの問題。要は国家の私物化、安倍政権による独裁の象徴なんですね。私のところにも「まだそれやってるのか」「とうとう森ゆうこはその問題にまで手を出したのか」なんて言うご批判をいただきますけれども、上杉さんがおっしゃるとおり、根っこは同じなんですよ。その独裁を止められないと、その国家には必ず悲劇が起きる…ちょっと大袈裟かもしれませんけど、そう思ってます。

【上杉】
国のモラルハザードのあとに来るのは独裁、そのあとには戦争…そういうことになる。この番組でもずっと警告してるんですが…。

【大貫氏】
私は繰り返し言ってるんですが、冷戦時代、クーデターが起きて最初に占拠されるのは、国営放送。そのくらいテレビ、放送局は重要なんです。あっという間に洗脳できますから。意識してる人でも洗脳されます。その怖さを認識してほしいんです。

【森議員】
ここは正念場だと思います。他にももちろん重要な問題はありますが、ここ(詩織さんの問題)が今の政治の問題の本質。そこに更に出てきたスパコンの問題もありますが、それも結局アベトモ事件。逆に安倍さんのお友達でなくなると、籠池さんのように4か月も不当に勾留される…あるいは山口(敬之)さんも、もう危ないんじゃないですか?じゃまになったら、もう…。

【大貫氏】
森友問題でゴミ処理を理由にして、1/10の値段で売却しようとしたことなども、その背景をきちんと報道しなきゃいけないんですよ。そういうことが決定的に欠けてる。だからいろんな議員がきちんと追求しても、それが国民に伝わらない。そこが問題なんですよ。

【上杉】
今日ここに出してたこの本、2009年に出した「最初に検察の検事の名前を出した本」なんです。

そして当時出演していた「新報道2001」で「捜査する人間もちゃんと名前を出して捜査しろ」と言ったら、その場で番組降ろされたんです。つまり、記者クラブメディアは検察の側についてるんですよ。ここがなかなか皆さんわからないんですよ。政治家の方も、一般視聴者も…オプエドを見てる方はわかってると思いますけどね。記者クラブというのは、メディアじゃなくて、ジャーナリズムじゃなくて、権力の側の広報なんですよ。つまりこの認識があるかどうか。

これがなければ…日本のメディアは全員、報道ではなく、広報をやってるんです。それに気付いてないのは日本人だけ。だから早く気付いたほうがいいと20年間いい続けてますが、結局気づかなかったですね。詩織さんが「山口氏と戦うんじゃなくて、システムと戦うんだ」と言ってましたが、結局ぶつかるのはここなんですよね。森ゆうこさんの活動もメディアが応援するはずなのに、表向きは「頑張ってください」とか言っても、裏ではリークが(検察サイドに)流れるわけです。

このあとは有料時間帯となりますが、上杉が「痴漢冤罪なんか簡単にでっち上げられるんだぞ」とかつての上司である鳩山邦夫法務大臣(当時)の秘書官から警告された話など、さらにティープに語っています。そちらの方はよろしければ有料会員登録の上、ご視聴ください。

12月13日放送分は、14日の16時まで無料会員登録(ブロンズプラン)でご視聴いただけます。それ以降、および番組開始から60分を過ぎる部分のご視聴には、シルバープラン以上の有料会員登録が必要です。